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出版社内容情報
これは山陰の昔話です。あるところに、長者がいました。もうじき子どもが生まれるので、遠い商いの先から、帰る途中のことです。日が暮れてしまったので、塞の神さまの木のもとで宿をとることにしました。明け方近く、しゃくしの神やなべしきの神、ほうきの神がシャン、シャン、シャンと塞の神を訪ねてきて、長者は神さまたちの話を耳にします。神さまたちは、お産を守り、運を授けに行くのです。聞けば、長者のところは男の子で青竹三本の運、となりの小作人のところは、女の子で、塩一升の運。やがて月日が経ち、長者は、18歳になった息子の嫁に、となりの小作人の娘を選びました。神さまの話を覚えていたのです。娘は良い女房でしたが、長者の息子は遊び人のだんなでした。ある年の夏、だんながお昼の膳を足で蹴飛ばし、女房はだんなに見切りをつけて家を出ます。すると蔵の神さまも次々と出て行きます。女はふろしき包みひとつを持ち、だんなも家も捨てて、チョンチョの群れを追って、やがて炭焼きの五郎左衛門の小屋にたどり着きます。翌朝、女は五郎左衛門に小判を渡し米を買ってきてほしいと頼みますが、五郎左衛門は女に鴨を食べさせてやろうと、預かった小判を投げてしまいます。女はあきれ悔しがりますが、五郎左衛門は「あげに光るもんなら、わしの炭焼き釜のまわりに、なんぼうでもあるわ」と答えます。それから女は五郎左衛門の女房になり、五郎左衛門は万石長者になりました。(編集企画室 U・A)
およそ8~9才から
内容説明
子どもの誕生にまつわる「産神問答」、寿命や運勢の定め、お産の神さま、塞の神さまを描いた昔話。
著者等紹介
稲田和子[イナダカズコ]
岡山県に生まれる。岡山大学法文学部卒業。山陽学園短期大学名誉教授。1955年ごろより、昔話の採集・研究にあたっている
太田大八[オオタダイハチ]
長崎県出身。多摩帝国美術学校卒業。戦後まもなく絵本やこどもの本の挿し絵を描きはじめ、半世紀以上にわたり、子どものための創作を続けている。国際アンデルセン賞次席、モービル児童文化賞など、受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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