出版社内容情報
9ひきのきょうだいの中で、最後に産まれた子犬は、お母さんのおっぱいを飲めたのも、
目があいたのも、おうちの犬小屋へ入るのも「さいごのこいぬ」。
ある日、飼い主が「子犬売ります」と看板を出します。「さいごのこいぬ」はまた、最後になるのでは・・と心配です。
買いに来た人達に「ぼくを選んで!」と必死でアピールしますが、逆効果。やっぱり最後まで残ってしまいます。
けれど最後に男の子に抱かれます。男の子はこう言います。
「ねぇ、しってる?きみは、ぼくの さいしょのこいぬ だってこと」
最後のページで微笑み合う子犬と男の子。そしてこの言葉に、幸せな気持ちになります。
子どもも大人も、時に、自分は「さいごのこいぬ」と感じることがあるのではないでしょうか?
それでも、この子犬のように自分を投げださないでいれば、いつかきっと「さいしょのこいぬ」と
言ってくれる人が現れるはずですね。 (企画広報課 N・S)
およそ5~6才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KEI
33
私が持っているのは、日本語版が出る前の英語版ですが、こちらで登録。とてもシンプルな絵。お母さん犬からポロリ、ポロリと生まれて来る子犬たち。「僕」は1番最後に生まれ、何をするにも1番最後のみそっかす。兄弟犬がどんどんあたらしい持ち主に貰われて行くのに、貰い手もつかない。でも、そんな僕を「初めての犬だよ」と喜んでくれた男の子が現れた。表紙の涙は嬉しくて泣いたのかな?命を大切にしたいと思えるし、自分を肯定する大切さも伝わって来る良い本です。2017/02/02
遠い日
8
9匹きょうだいの、9番目の子犬は、なんでも最後。みそっかすの自覚がちょっと悲しい。そんな子犬に訪れた、幸運。オンリーワンにもナンバーワンにもなれる喜び。2019/05/19
ナハチガル
8
こりゃすごい。まず子犬が生まれるシーンがあっけらかんと描かれていることに衝撃。そして、つらい目にあいながらも飼い主にめぐまれておわるんだろうなあと思っていたら、まさにそのとおりだったわけだが、その最後のページの演出が絶妙。予想通りの展開でありながら、フォーカスと数行の台詞回しだけでこれほどの揺さぶりをかけてくるとは。こういう作品がひょっこり出てきたりするから絵本漁りはやめられない。A+。2016/07/04
猪子
7
表紙とタイトルがいかにも悲しげで心配だったけど、ハッピーエンドで良かった良かった。いちばんさいごにうまれたけれど、このこいぬは一番思慮深そう。我が家もそろそろわんちゃんかねこちゃんを飼いたいなぁ。2019/04/08
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
6
9匹兄弟の9番目の子犬は、なんでも最後。何でも最後は悲しい思いばかリで過ごしていましたが、新しい飼い主の男の子が言ってくれた言葉に、子犬は幸せな気持ちになります。表紙では悲しい顔の子犬は、裏表紙では幸せな顔に。2023/04/04