かわせみのマルタン

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  • サイズ A4判/ページ数 32p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784887500471
  • NDC分類 E
  • Cコード C8797

内容説明

空よりも青く、絹よりもつややかなこの小鳥が、どこからやってきたのか、いまでも、わたしにはわかりません。わたしの川の歌にひかれて、ここにくるまで、このかわせみは、長いあいだ、ほうぼう、さまよったにちがいありません。そして、わたしの小さな谷間が、世界でいちばん静かで、いちばん自然のままで、いちばん美しいところだということを、発見すると、さっさと、ここに、すみついてしまったのです。滝から水車小屋へ、水車小屋から滝へと、水面すれすれに、矢のようにまっすぐにとびながら、かわせみは、ときの声をあげました。「ここは、おれの領土だ!おれの漁場だ!ここの主人は、おれだ!」と…。水車小屋の近くに巣をつくっている、ばんや、こがもや、ほかの水鳥たちは、これをきくと、すぐその意味がわかりました。そこで、水鳥たちは、かわせみのマルタンが、くちばしでつついて、追いだしにくるまえに、さっさと、退却していきました。

著者等紹介

フォシェ,リダ[フォシェ,リダ][Lida]
1899~1955。チェコスロバキア・プラハに生まれる。若い頃より、恵まれない立場にいる子ども達への教育にかかわった。そのことを通して、『野うさぎのフルー』や『りすのパナシ』『かわせみのマルタン』のシリーズのもとになる『カストール叢書』の著者ペール・カストールと出会う。のち、彼と結婚し、以後、このシリーズは、夫妻の共同の仕事となった。パリにて他界

ロジャンコフスキー,フェードル[ロジャンコフスキー,フェードル][Rojankovsky,Feodor]
1891~1970。ロシア・ミタワに生まれる。イラストレーター、作家。自然に親しみながら、長じてモスクワ美術学校に学ぶ。1914年から1917年にかけ、陸軍に画家として役した後、ロシア革命の間、ウクライナの子どものための本に挿絵を描き始めた。内戦から逃れてフランスに渡り、パリに身を寄せた。そこで、アメリカの編集者に見出だされ、次いで、リダ・フォシェとの出会いから、『野うさぎのフルー』や『りすのパナシ』『かわせみのマルタン』のシリーズの絵を手がける。コルデコット賞受賞画家

いしいももこ[イシイモモコ]
1907年、浦和市に生まれる。日本女子大学卒業後、編集者として出版社に勤務。その後、アメリカへ渡り、こどもの本、図書館について学ぶ。帰国後、こどもの本の翻訳家、作家として、戦後まもなくの、わが国児童文学界の草分けのひとりとなる。その功績により、1953年、菊池寛賞受賞。以後、一貫して水準の高い仕事を続ける。自宅の一室を開放して、近隣の子どもたちのために、「かつら文庫」を、長年、主宰してきた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

45
とても良かったです。カワセミの生態を分かりやすく、カワセミの一生が学べます。カワセミのマルタンとマルチーヌのつがい。カワセミのつがいは生涯寄り添い、そして一匹が死ぬと、もう一匹も生きていけず死んでしまうそう。愛情の深さに感激しました。マルタンが亡くなる所は子供は目をウルウルしていました。自然の神秘を感じた時間でした。オススメです。2018/11/07

つくよみ

36
図書館本:小川とその周辺に住む、生き物達の生活を描いた本。絵本というよりは、挿絵が多い児童書。かわせみの夫婦愛に胸を打たれた。2013/08/15

gtn

28
とりあえずかわせみのマルタンを主人公と見立てているが、蛙や鰻、ザリガニ、カゲロウの幼虫等、登場する者のすべてが主人公であり、一つの劇を長期上演している。人間が登場しない限り、その劇が途絶えることはない。2021/11/24

ヒラP@ehon.gohon

21
かわせみがこんなに愛情深い鳥だとは知りませんでした。 かわせみの住む自然の詳しい描写、かわせみがつがいとなって、子育てをして命を終えるまでの解説、驚きながら読みました。 私の家の近くの公園の池に、かわせみが住んでいます。 おすの一羽しか目にしたことがありません。巣の前で毛繕いしている所も見つけましたが、巣の奥がこのようになっていることを知って、かわせみを改めて見直しました。 急に見かけなくなった時期には、様々なことが起きているのですね。2020/07/20

絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく 

13
美しい森の、静かな川のほとりに住むカワセミの夫婦のおはなし。四季の移り変わりの中に癒される夫婦の姿。2020/02/03

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