目次
狐
岩魚
岸辺
五月の雉
卵のかげ
拾遺
著者等紹介
蔵原伸二郎[クラハラシンジロウ]
熊本県出身。詩人。萩原朔太郎の影響を受け詩を書き始める
エリオット,ウィリアム・I.[エリオット,ウィリアムI.][Elliott,William I.]
アメリカカンザス州出身。詩人。関東学院大学名誉教授
西原克政[ニシハラカツマサ]
関東学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fishdeleuze
24
詩集というものを読むたびに、それらについてどう言葉を紡げばいいのか困る。たぶん、僕の中に詩を論じる(というほどのことでもないのだが)言葉がないのだろうといつも思う。この詩集は、やさしい、そしてとてもよく選ばれた言葉で書かれた短い詩が多い。凝縮された言葉(や意識)の奥に、美しい風景や動物たちの生命の息遣いや空気の色や風の流れる方向が見えるような気がした。凝縮された言葉で描かれるイメージはとても広く、静謐で美しい。2015/09/16
刻青
1
「きつね」一連の詩からこの本にたどり着いた。ただただ透明な世界。しぬものも消えゆくものも、どこか涼やかにさっぱりとしていて、美しい。こちらはただ金色の草原に残されていく感じ。素晴らしい作品群だと思う。 いろんな詩を読んで詩っていうのはある種の若さ幼さが生み出すものだと思っていたから、その点でも衝撃を受けた。絶望ではないもの。これはなんとなく、一種の希望のような感じがする。もっと広く読まれる詩だと思う。2021/06/05
Cell 44
1
「さびれた白い村道を歩きながら/旅人はつぶやいた/「生きながら有限から抜け出そうなんて、/それはとうてい不可能なことだ」/すると、旅人の頭の中の/一匹の狐が答えた/「それはあなたが消滅して私になれば、/わけもないことです」/そこで旅人は狐になった/道ばたの紅いスカンポの根をかじり/谷川におりて青いカジカを追いまわした/今はただ/一匹のやせ狐が/どこへゆくかもわからない/黄昏の村道を歩いている」(「野狐」)素晴らしい詩集だ。平明であることが地平まで照らすあかるさになる。とても、よかった。2015/12/22
サクタロ
0
短い詩の中に音や光や風や感情が詰まっていて、感動しました。2015/04/27