出版社内容情報
センター試験はマークシートを塗りつぶすゲームです。
ゲームですから、攻略本を読むと、少ない労力でハイスコアを狙うことができます。
このシリーズには、センター攻略のための、基本テクニック、定石、ウラ技が詰まっています。
●項目を必要十分な範囲に絞り込んであるので、すぐ読めて、すぐ点が取れるようになる。
●試験場で使える親しみやすい解法から紹介してある。
【「必勝のための活用術(本書の利用法)」より】
予備校で現代社会を教えている先生がセンター対策本を作ると、どうしても概略的な内容が多くなってしまいます。おそらく授業でのおしゃべりの癖が出てしまうのでしょう。授業では,1コマの講義を通じて,ある一つのテーマを中心にして授業を組み立てていきます。授業では、大きなテーマを伝えることが主で、個々の暗記事項は従なのです。まあ、いくら試験に出るからといっても,ただ知識を羅列しただけでは,授業が無味乾燥になってしまい人気が取れないのでしょう。
そのようにあらかじめ一つのテーマに沿って構成された授業を聞く生徒は,確かに現代社会の各単元のテーマがわかったような気になります。人気取りの授業ならそれでもよいのです。そして,そのような授業を引き写した参考書も,分かったような気にだけはさせてくれることでしょう。
しかし,そのような本を勉強してもテストで点が取れるようにはなりません。授業で強調したことと,テストで狙われる内容とはズレているからです。
例えば,テストが記述式で,
「高齢化社会において重要な観点を述べよ」
という問題が出るのなら,授業での概論的な話を通して単元全体のイメージを持つことも有用でしょう。しかし,センター試験における選択肢の正誤判定で必要な力は,テーマの大筋を掴んでそれについて意見が言えることではありません。授業で学んだイメージがセンター試験で役に立つとしたら,それは課題文(設問の前にあり,一部に下線が引いてある文章)を読むときぐらいなものでしょう。もっとも,後述するように,課題文を全部読むのは時間の無駄ですが………。
高齢化社会の単元で実際に出題されるのは,
「介護福祉士は国家資格である。」
といった,細かい知識を述べた文の正誤判定なのです。
大まかな知識で判定できる選択肢もありますが,最後に残った2つの選択肢から確信を持って正解選択肢を選び取るには,どれだけ細かい知識をしっかりと蓄えこんでいるかということが勝負なのです。
細かい知識といっても、ただ闇雲に細かい知識を集めても効率がよくありません。この本を書くにあたっては、過去問の一つ一つの選択肢を分析して、正誤判定には、何を押さえておかなければいけないのか、どのような観点が必要なのかを,徹底的に分析しました。
本書において、たとえば、
青年文化
・一時的な流行に終わってしまうことがある。
(96本)
とあれば、
「青年文化は一時的な流行に終わってしまうことがある」
という青年文化の特徴を理解していると正解選択肢を選ぶことができた設問が,96年の本試験で出されたことを表しています。出題された選択肢をそのまま使っている場合もありますし、いくつかの選択肢を合わせてひとつの文章にしている場合もあります。いずれにしろ,この本に載っている事項は、問題の解くときのカギとなる事柄をまとめてありますから,そのまま得点源となるのです。「それは過去問の得点源だ」と皮肉をいう人がいるかもしれません。しかし、そういう人は本書を見てください。本書を見るとわかるように、同じ知識でも年度を違えて何度も聞かれていることが多いことに気づくでしょう。過去問はそのまま予想問題となるのです。
このような構成ですから、この本では敢えて単元の概略などは書いてありません。得点源となる事項だけを書き並べてあります。このような本の構成上,読む人によっては「まとまりのない本だなあ」という印象を持つ人もいるかもしれません。もしもそのような印象を持ったら教科書を読んでください。各単元の大まかなあらすじを掴むだけなら,教科書が最適です。そうして、大まかなイメージをもったあとで,個々の細かい知識を付け加えていくのもよいでしょう。ただ,もう一度言いますが、あくまで得点を伸ばすのは細かい暗記事項です。概略・あらすじは暗記の助けにしかならないと割り切って試験に出る知識の吸収に努めていってください。