内容説明
神々が最も愛したと言われる大陸、ヴァールベラ。美しき大陸、ヴァールベラ。かの麗しき大陸を、一千年程前に一人の魔道士が統一したという。魔道の力を操る異端な者、数々の怪しき術で人々を惑わした。人はその時代をヴァールベラ唯一の暗黒時代と呼んだ。彼の名はパトターラ。しかし、今その名を知る者は殆どいない。―誰ぞ、内より彼の者を封じよ。天の声を答えたのは、皮肉にも彼の妻である汚れなき乙女アシグル。攫われた汚れなき乙女は夫を氷の柩に封印してしまった。―さあ、皆、解放されたのです。汚れなき乙女の声とともに多くの国々が起こり、そして消えて行った。そして、今、大陸共通暦920年、また、ヴァールベラに再び戦乱が起ころうとしていた。1998年2月に急性骨髄性白血病で亡くなった22歳の女性・吉野摩衣子が親友と書いた渾身のSFファンタジー小説。