感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mittsko
5
エリアーデ=荒木美智雄宗教学を奉じ、強い「宗教学者」アイデンティティを持つ筆者による、異文化/異宗教的な他者理解/誤解、ないしは「ディアレクティケー」の研究書(博論の加筆修正版)。前半は17世紀を軸に、スペイン王国とカトリック教会によるアンデス地域(現ペルー辺り)を、後半は同地域の現代を、夫々取り上げる。前者では偶像崇拝、悪魔、魔術と名指されたものへの弾圧の局面が、後者ではそれへの先住民による批判的応答、創造的な主体性の発揮の局面が主題化されている。理論と構成に個性がひかる宗教史記述の力作(。・ω・。)2018/12/18