目次
第1章 学問とは何か(学問の定義;自然科学の法則は絶対的真実か ほか)
第2章 学問の危機(イデオロギー化する学問;経済論争は学術論争か ほか)
第3章 学問の見分け方(「学問」による詭弁の見破り方;学問とメディアの言論責任)
第4章 これからの社会と学問(学問という価値観;自己責任時代の学問;多様な価値観は共存しうるか;科学と個人主義)
著者等紹介
掛谷英紀[カケヤヒデキ]
1993年東京大学理学部卒業。1998年東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、筑波大学システム情報工学研究科講師。専門は、メディア工学、メディア論。立体映像、遠隔取材ロボットなど、未来のメディア技術を主に研究
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感想・レビュー
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南北
40
学問の要件を全く満たしていない「学問」が拡大している実態を受けて書かれた本。工学系の教養課程の教科書ですが、それ以外の分野でも通用するものになっています。新型コロナで医学系の専門家の発言がとても学問を研究しているようには見えないと思っていたので、いいタイミングで出会うことができました。実験と観察に基づかない自然科学というのはまさに京大の西浦教授の42万人や新型コロナ分科会の尾見会長の会食は4人までという発言そのものだと思います。検証されていない仮説を使って社会を変革するのは学問の仕事ではないと思います。2021/03/08
MAT-TUN
8
なんというすばらしい本だ!掛谷先生は35才でこのような名著を。学問を「予測する力を持つ体系的知識、及びその研究方法」と定義し、それを逸脱して利権誘導や政治目標達成を目指すような学問分野に対する警鐘をならす。学問に直接間接に関わる人(=日本人のほぼ全て?)の必読書かもしれない。物理学などの自然科学、工学、社会学、ポストモダンなどの現代思想、経済学、メディア論など、議論すべき主要な分野を広く射程に収めており、どんな人でも参考になる。例として挙げられる原発、男女共同参画など読み応え十分2013/01/11
ステビア
3
これ高校生の時読みたかったんだよな〜。工学屋の本って感じだなw2013/08/29