内容説明
ある農業研修生は故郷の内モンゴルでの牧畜の豊かな可能性を語り、ある留学生は中国脱出にかけた自由と民主への想いを語った。ある留学生は日本の大学の研究条件の問題を嘆き、他の留学生は身元保証人のセクハラに悩み、別の就学生はアルバイト先での深夜勤に疲れ果てていた。ある韓国人留学生は大学の人間関係の中で日韓の特別な歴史を改めて実感し、あるインドネシア人留学生はムスリムの意味を再発見していた。ある研修生は日本企業の生産性の高さと日本人労働者の「愛社精神」に驚嘆し、別の就学生は日本の下層階級の高齢者の孤立と生活不安にあきれていた。日本で学ぶアジア系外国人の実態調査。
目次
第1部 問題提起(歴史―社会観の再検討;方法論・概念装置;研修生・留学生・就学生の概況と先行研究)
第2部 生活誌分析(研修生・留学生・就学生の基本属性と生活史;研修生の生活過程;留学生・就学生の生活過程 ほか)
第3部 考察(「専門性」とその修得;相互行為・異文化接触に伴う文化変容;国家・社会認識とその変容)