内容説明
4500万年前のプレートの衝突によって誕生した標高8000メートル、全長2400キロにも及ぶ人跡未踏の“世界の屋根”―その危険な容色に魅せられた人類による栄光と挫折に満ち満ちた挑戦の軌跡を、10人の研究者・アルピニストたちが描破する!付・コラム39本、稀少図版128点、歴史的登山MAP13点!!
目次
第1章 ヒマラヤを解剖する(山脈の形成と地形)
第2章 ヒマラヤの初期の王国(1700年までの政治と文化の歴史)
第3章 初期の旅行家と冒険家(1815年までのヒマラヤ)
第4章 ヒマラヤを測量する(1815‐1892)
第5章 登山の黎明期(1891‐1918)
第6章 戦間期のヒマラヤ(1919‐1939)
第7章 エヴェレスト登頂への道のり(1940‐1953)
第8章 黄金時代(1953‐1960)
第9章 新たなフロンティアを切り拓く(1961年から現在)
著者等紹介
パーカー,フィリップ[パーカー,フィリップ] [Parker,Philip]
歴史家(古代史、中世史)、作家
藤原多伽夫[フジワラタカオ]
翻訳家、自然科学誌の編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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勝浩1958
8
つねに死と隣りあわせの危険な登山に、なぜこれほど人は惹きつけられるのであろうか。実際に体験した人でないと味わえない、恍惚感や感動があるからなのであろう。人生でそのような一瞬を味わえた人は、ほんとうに幸せであろう。わたしは、この書籍に掲載されているヒマラヤの高峰の姿の美しさに唯々見とれてしまいます。自分では絶対に登山は不可能ですが、ヒマラヤの雄姿を実際に眺めてみたいと思わせてくれた作品でした。2015/03/19
スプリント
4
序盤はヒマラヤの歴史と地理について説明されており、中盤以降は登山の歴史が中心になります。登山装備の進歩についても触れられており興味深かったです。2017/05/28
hi
3
今まで読んだ登山本は個人の記録ばっかだったので、登山史概説してもらって面白かった。図版が多くて分かりやすい。ヨーロッパ人の登山史がほとんどを占める中、戦後唐突に現れてバリバリ初登攀重ねてく日本人の功績がジワジワ来る。ちゃんと認められてるのね。海外の山文学だけ読もうと思ってたんだけど、日本のも読みたくなってきてしまった…キリがない(^^; しかし写真すごいわ〜あやうく行きたくなってしまうところやわ…いや行かん行かん絶対行かんけど。2016/08/01
あらい/にったのひと
2
ヒマラヤ探検の通史。終盤はちょっと羅列になってて残念なところがあるけれど、8000m峰の登頂が果たされるあたりまでの面白さは独特。個々の話に対してはそこまで掘り下げていないので、人名で探して調べるとよいと思う。沈黙の山嶺では割とあっさり死んでしまうケラスの業績がいくつか書かれていて新鮮でありました。2021/12/18
☆☆☆☆☆☆☆
1
ヒマラヤ探検史としては登山に重点を置き過ぎのような気もしますが、なかなかよく整理されていて参考になりました。図版、コラム、参照文献も充実しており、良書の部類に入ると思います。2016/08/19