内容説明
アメリカにおけるヘーゲル・ルネッサンスの賑わいと、フランスのメイヤスーに代表される思弁的実在論の新展開。本書は今ドイツでもっとも注目を浴びる若き天才が、ジジェクとともにドイツ観念論の古典再解釈を通じて、そうした現代思想の新潮流を敢然と批判する。しかし、その展開は批判だけに留まらず、「存在論」を再び哲学の中心に据えることで世界を新たな理解へと導く。ドイツでブームとなっているガブリエルの書籍『なぜ世界は存在しないのか』のダイジェスト版論文の翻訳も特別収録。
目次
緒論 ポスト・カント的観念論への回帰を求めて
第1章 反省という神話的存在―ヘーゲル、シェリング、必然性の偶然性について(現象―ヘーゲルの反省論;神話という思考以前の存在―反省の限界についてのシェリングの考察;必然性の偶然性)
第2章 二つの自由をめぐる規律訓練―ドイツ観念論における狂気と習慣(ヘーゲルの習慣;自己のオート‐ポイエーシス(自己‐制作)
何も指示しない表現
習慣、動物、人間)
第3章 フィヒテの哄笑(フィヒテの自我からヘーゲルの主体へ;絶対者と現象;フィフテ的な賭け;障害(Anstoβ)と事‐行(Tat‐Handlung)
分割と限定
有限な絶対者
定立された前提)
付録 「なぜ世界は存在しないのか」
著者等紹介
ガブリエル,マルクス[ガブリエル,マルクス] [Gabriel,Markus]
1980年旧西ドイツ生まれ。哲学者。2015年現在、ドイツ・ボン大学教授。後期シェリングを専門としつつ、ピュロンら古代懐疑論からヴィトゲンシュタイン、ハイデガーに至るまで西洋哲学の広い範囲を対象に精力的に執筆を行っている。近年では新実在論というプロジェクトの旗手として知られる
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ] [〓i〓ek,Slavoj]
1949年旧ユーゴスラヴィア生まれ。哲学者・文芸批評家。2015年現在、スロヴェニア・リュブリャナ大学教授。ラカンとドイツ観念論の独創的な統合に基づく理論を軸に、資本主義、映画、文学などについて積極的に発言を行っている
大河内泰樹[オオコウチタイジュ]
1973年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は哲学、ドイツ観念論、批判理論
斎藤幸平[サイトウコウヘイ]
1987年生まれ。ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミー客員研究員
飯泉佑介[イイズミユウスケ]
1984年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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