内容説明
30代で南北アメリカ大陸(とりわけ、人跡未踏のベネズエラ、コロンビア、ペールの高山地域)を探検し、60代でシベリアや中央アジアを探検したフンボルトは、地質学から自然地理学、動物学、植物学にいたるまで、あらゆる学問分野に影響を及ぼし、気象学や海洋学、植物生態学など、その後の近代科学の生みの親となり、さらには国境を越えた科学者の組織化や情報交換、広範囲に及ぶ地磁気共同観測の実現に奔走し、後進の育成にも尽力した。ゲーテやフリードリヒ・ガウスと親交を保ち、チャールズ・ダーウィンをして「フンボルトの著書を読んで」自分の人生の方向が決まったと言わしめるほどの影響を与えた。この巨大な地球人の生涯をあまねく描写。
目次
小さな薬師
金鉱技師
ゲーテと動物電気
愛情の果てに
探検家のさまざまな挫折
アランフェスの宮廷(離宮)で
大いなる旅立ち
熱帯世界
リャノス
大瀑布を越えて〔ほか〕
著者等紹介
ボッティング,ダグラス[ボッティング,ダグラス][Botting,Douglas]
1934年生まれの英国の作家、写真家、ドキュメンタリー映画製作者で、王立地理学協会や王立国際問題研究所の会員でもあり、何よりも現場入りを厭わない探検家
西川治[ニシカワオサム]
1925年、東京都生まれ。1947年、東京帝国大学理学部地理学科卒業。1955~57年、フンボルト財団給費生として西独ボン大学在外研究。1971年より、東京大学教養学部教授、放送大学客員教授、立正大学文学部教授、日本学術会議会員を歴任。理学博士、東京大学名誉教授。(社)日本地理学会、(社)環境情報科学センター、地理情報システム学会など、各名誉会員。富士学会会長、(財)日本地図センター研究顧問、福武学術振興財団理事
前田伸人[マエダノブヒト]
1963年、鳥取県生まれ。1987年、東京大学教養学部教養学科(中南米分科)卒業。1997年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。ラテンアメリカ史・地理学思想史専攻。現在、東京大学、慶応義塾大学、神田外語大学、中央大学などで非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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