出版社内容情報
バルザックの諸作の登場人物や、ユゴーの名作『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・ヴァルジャンのモデルであり、また探偵小説を創始したエドガー・アラン・ポー、エミール・ガボリオやコナン・ドイルにも計り知れない影響を与えた、本国フランスでは「伝説のヒーロー」として知らぬものなしの”怪人”ヴィドックの生涯を追いました。
内容説明
ジャン・ヴァルジャン、『モルグ街の殺人』のデュパン、そしてアルセーヌ・リュパン…仏文学、推理小説に多大な影響を与えた知られざる怪人の波瀾万丈の物語。
目次
第1部 密猟者(悪童ヴィドック;最初の妻マリー;女たち;ジプシー;足焼き強盗 ほか)
第2部 猟場の番人(昔の仲間;勝利;窮地;サン=マンデ;復帰 ほか)
著者等紹介
モートン,ジェイムズ[モートン,ジェイムズ][Morton,James]
25年間の弁護士生活の後、法務関係の雑誌編集に携わる。現在は作家としてGanglandシリーズなど多数の著書を手がける
栗山節子[クリヤマセツコ]
東京外国語大学卒業。現在翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
58
思えば、このフーコーの底意地の悪いような辛らつな観察と分析も、今となっては牧歌的に思えてしまう。それほどに現代は荒んでしまっている。「警察と非行性との直接的で制度的な結合」どころか溶け合ってしまって、分離できなくなっているのではなかろうか。 社会も制度も、土台から液状化しているように思えてならない。
寧々子
5
犯罪者であり世界初の私立探偵ヴィドック。日本での知名度が低いせいか、現在入出可能な参考文献は本書しかない。数々のヒーローに影響を与えたことを考えると、もっと人気があってもよさそうな人物なのだけれど。本書の中身が充実していたことが救いだった。彼が犯罪者時代、幾度となく繰り返した脱獄にまつわるエピソードなど、とくに興味深く読んだ。岩窟王に出てくるようなシーンが、実際現実に行われていたとは。犯罪者がギロチンで命を終わらせられた時代の残酷さと、おかしいくらい低い監獄の塀。ちぐはぐさが返って生々しかった。2009/06/30
qoop
4
18〜19世紀のフランスで勇名を馳せたという犯罪者にして密偵、世界初の私立探偵…という怪人物の評伝。フランス革命前後の混乱期を巧みにすり抜け、体制の変化に寄り添いながら咲いた時代の徒花…という雰囲気だが、近代の警察(組織作り)への影響や、文学的なアンチヒーロー像の形成に大きく寄与していることを考慮すると、一概に徒花とも云えないのかな、とも。当初思っていた以上に小物感たっぷりなのも意外で面白かった。2014/12/02
こずえ
2
面白かったー。犯罪者にして密偵、世界発の私立探偵。フランス革命期に実在したヴィドックの評伝。私の知識が浅いんで、細かいところでよくわからなかったり、人物が多くて混乱したりしてましたが(笑)こういう評伝にしては、ヴィドックが無茶苦茶すぎてサクサク読めます。自伝が当時もベストセラー…てことは、当時の人が読んでも魅力的だったってことだね。脱獄王から敏腕刑事、大統領選まで立候補て…無茶苦茶なオッサンである…。2012/01/31
takao
1
ふむ2021/12/29
-
- 和書
- 国際秘書実務