ポンペイの滅んだ日

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784887214972
  • NDC分類 232.8
  • Cコード C0022

内容説明

地震に脅え、噴火や火砕流から逃げまどう人びとの姿と、ベスビオ大噴火で埋没した古代ローマ都市にみる火山列島・日本への警鐘。

目次

1 ポンペイ、ヘルクラネウムへの道
2 遺跡は語る―発掘史いちべつ
3 ポンペイ―ローマ文明の縮図
4 ベスビオの寵児―ヘルクラネウム
5 ベスビオをめぐるジオドラマ
6 ローマ帝国衰亡論と鉛中毒

著者等紹介

金子史朗[カネコシロウ]
1929年東京生まれ。東京文理科大学(現筑波)地学科卒。東京大学地震研究所などを経て、現在はサイエンスライターとして活躍。日本地質学会、日本地理学会、ニューヨーク科学アカデミー会員。主な著書は『科学が明かす古代文明の謎』『古代文明はなぜ滅んだか』(中央公論新社)、『アトランチス大陸の謎』『聖書の奇跡と謎―次々と実証される旧約聖書の世界―』(講談社)、『構造地形学』『火山大災害』(古今書院)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

375
著者の専門領域は地学。したがって、本書後半の、ヴェスヴィオの大噴火に関する部分が最も力の入るところか。ここでは過去の調査結果も踏まえた専門的な考察になっている。紀元79年8月24日に起こった噴火がポンペイの町の、そしてそこに暮らしていた人々の運命を大きく変えた。前半では、そのポンペイの発掘史と、考古学的な知見が紹介されるが、当時の人々の不幸は現在の我々には幸いして(いささか不謹慎かも知れないが)、建造物の遺構だけではなく、衣食住にわたる普通の生活を偲ぶことが可能なのである。 2022/03/22

びっぐすとん

17
再読。子供の頃に『ポンペイ最後の日』を読んでからずっと行きたかったポンペイ。この本はポンペイに憧れていた頃に購入した。20数年前念願かなって遺跡を訪れた際は感無量だった。西暦79年噴火で埋まってしまった街。小プリニウスの詳細な記録が当時の様子を鮮明に想像させる。雲仙普賢岳でも起きた火砕流の恐ろしさ、これは今でも教訓になる。津波と一緒で家財は後回しでとにかく逃げることが大事。ローマ帝国滅亡の陰に鉛中毒があったという第6章も興味深い。知らず知らず鉛に汚染されていく、文明の便利さに潜む落とし穴だったとは。2020/10/02

がんぞ

7
発掘によって1世紀ローマ帝国の文化の高さが判明し、進歩の概念さえ修正を迫られた/ローマ帝国は滅びたが、その中期には弾圧され後期には国教とされたキリスト教は脱皮しつつ生き残り現代史のゲームプレイヤーとなっている/別荘に最適の属領とて享楽的ではあるが、無政府主義ではない。鉛害?即時の被害でなくては意に介さないのが民主主義/四半世紀前の大地震からの復旧の途上であった。富士山は東日本大震災の際に噴火寸前だった。関東ローム層が火山灰の結果であるのを承知している列島住人は「積灰2m」になった場合の結果を覚悟しているか2018/10/14

moonanddai

3
感想ありません。感想言えません。ポンペイやヘルクラネウムの遺跡の「生々しさ」は言葉を失います…。多くの人々(と犬)の死の瞬間がこれだけ遺されているのは、ある意味奇跡です。これらの町の滅んだ様子が分かりました。この遺骸から派生した問題として、当時の「鉛中毒」があるらしい。その原因はワインとその容器他他…。これがローマ帝国の衰亡につながるとの説もあるとのこと…。やはり飲み過ぎ注意です。2013/05/02

康芳英

1
79年のヴェスヴィオ山の噴火をこの本が発売された1988年時点でのポンペイなどの周辺の遺跡の発掘史と地学的な観点から解説紹介した本。後半部分にあるローマの鉛汚染の項目は蛇足っぽいし、所々作者の想像が入っている部分はマイナス点だけれども、ヴェスヴィオ山の79年の噴火を知るには手頃で良い本だと思う。2014/06/29

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