内容説明
私たちは、なぜ老親の死を願わなければならないのか。瀟洒な老人ホームが、なぜ、“現代の姥捨山”と呼ばれるのか?その答えは…“介護”の底流に流れる本音とは何か?心の奥底に秘めた思いを赤裸々に語った人たちの記録。
目次
二人の弟に背かれながらも、母の看病に明け暮れた十九年間の日々
実母から贈られた老後の生き甲斐。十一年の介護経験をヘルパーに生かす
十年余の在宅介護の後に受けた、肉親からの「あなたは最後に、親を捨てたのよ」という罵り
痴呆、幻覚、幻聴。そんな母でも、感謝こそ、介護の原点だ
「お母さんは生きていても植物人間です。延命処置を続けますか?」
親の長寿は、子の悲劇?六年の介護の結果が「要介護2」の身に
「辛くても、お祖母さんの面倒見る方がいい」嫁の心で生かされた百一歳の長寿
親と姉兄との愛憎の中で、なぜ私だけがもがいているの?
「食事と洗濯だけが私の務め」生活支えた妻は、理想の嫁さん?
「父の自宅介護、遠距離介護、養父の介護、兄嫁との軋轢…」そして残る満足感
理想の介護を求めて助け合ってきたつもりが…現実の荒波に『船頭多くして船山に上る』結果に
「介護ヘルパーは高収入」に誘われて。五年の経験から得たものは?
惨憺たる老人病院の実態を、介護を受ける立場から訴える