内容説明
『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二源泉』へと次第に高まるベルクソン哲学の宗教への接近は、同時に西洋哲学伝統の心身(主客)二分論超克の道程であった。その到達点においてもなお存在する、哲学と宗教とを分かつ深淵とは何か。キリスト教作家モーリヤックの主著分析も交え展開する、宗教的心身合一論の真髄。
目次
第1部 ベルクソン論(心身の合一―ベルクソン哲学からキリスト教へ;ベルクソンと一六世紀キリスト教神秘主義―十字架の聖ヨハネを中心に)
第2部 モーリヤック論(ふたつの愛―キリスト教と文学;『蝮のからみあい』―危機と恩寵)
付論 体験としての翻訳―翻訳者として、読者として、教育者として
長いあとがき―『受肉の詩学』以後
著者等紹介
中村弓子[ナカムラユミコ]
1944年、東京に生まれる。東京大学教養学部フランス分科卒業。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学修士課程修了。現在、お茶の水女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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