内容説明
被災者は「語り」支援者はひたすら「聴く」。そして被災者の苦しみと「居合わせた」支援者は自らも受難=受動の様相におかれ、被災者と「共同して」否応なしに自立支援に立ち上がっていく。震災以来12年間に及ぶ支援経験を持つ諸団体に関し、その活動に密着して調査を行ってきた研究者たちが、支援者らの体験に裏づけられた実践知(方法的自覚と思想的発展)を総括した本書は、我が国のボランティア活動発展に向け新たな地平を切り拓いた共同労作である。
目次
1章 市民の複数性―現代の“生”をめぐる“主体性”と“公共性”
2章 再び『共同行為』へ―阪神・淡路大震災の調査から
3章 多様なボランティアが切りひらく新たな市民社会―被災地NGO恊働センターの活動展開から
4章 被災者の固有性の尊重とボランティアの“問い直し”―阪神高齢者・障害者支援ネットワークの持続
5章 職能ボランティアの成立と可能性―ながた支援ネットワーク
6章 “居住の論理”に基づくコミュニティ形成―野田北部地区の復興まちづくり
7章 自立支援のリアリティ―被災地障害者センターの実践から
8章 “ひとりの人として”を目指す―支援の実践知
著者等紹介
似田貝香門[ニタガイカモン]
1943年生まれ。東京大学名誉教授。1973年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。山梨大学教育学部助教授、東京学芸大学助教授をへて、東京大学人文社会系研究科・文学部および新領域創成科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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