内容説明
これほど教員の力量の向上が叫ばれながら、これまで一貫した体系を持つ「教員養成学」が欠如していたことは、日本教育界七不思議の最たるものだ。この課題を自覚し、自らの責任において「学」の創出という困難にあえて挑戦した、弘前大学教育学部の研究・実践の記録と、今後の更なる成長を願いつつ紹介する「教員養成学」の理論とカリキュラムのアウトライン。
目次
教員養成学の誕生―戦後の教員養成教育論の展開から見たその意義
第1部 教員養成学の理論・歴史(「教員養成学」の学問的性格試論―弘前大学教育学部の経験から;「教員養成学」の「学」としての独自性と可能性;大学が教員養成に「責任」を負うという自覚と宮教大の教員養成改革―「教員養成学」の根底にある理念の端緒として)
第2部 教員養成学に基づく教員養成の実践・検証(教員養成カリキュラムの体系化の試み;一年次教職科目「教職入門」における「教育実習観察」の効果と課題についての一考察;アイデンティティ、教職志望、適性感からみた「教職入門」体験;Tuesday実習の実施の試みと効果検証;新科目「教員養成総合実践演習」の挑戦―“学校臨床←→学校臨床研究”の往還による教師力育成の試み;英語科教育養成プログラムの研究開発―大学教育の新しいパラダイムに基づいて;社会科教育における教員養成プログラム―教科教育法と教育実習を繋ぐマイクロティーチングに焦点をあてて;教員養成における地域ニーズお研究;教員養成学研究開発センター発足1年目の活動)
著者等紹介
遠藤孝夫[エンドウタカオ]
1989年に東北大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1997年10月から2007年3月まで弘前大学教育学部に助教授・教授として勤務。現在は岩手大学教育学部教授。博士(教育学)。専攻はドイツ教育史
福島裕敏[フクシマヒロトシ]
2001年3月に一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。2005年より弘前大学教育学部附属教員養成学研究開発センター専任教員。専攻は教育社会学、教員養成学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。