内容説明
かつて教育移植に力点を置いた先進国研究から出発した比較教育学は、グローバル化の中、新たな転換期にある。いま様々な理論と方法が並立する中で「包括的地域研究」の有効性を主張する著者は、内外教育諸機関における豊富な経験を生かし、日本の大学改革、歴史教育、留学生政策、エスニシティと教育等の実践的課題を鋭く分析すると共に、発展著しいアジア諸国との比較の下、わが国の教育、特に国家戦略としての高等教育の立ち遅れを鋭く批判し、韓国、アジア諸国での大学等自らの実践を通じて、比較教育学研究方法の有効性を実証した労作。
目次
比較教育学と私―越境のレッスン
1部 比較教育学方法論―理論・方法・教育研究基盤(一九九〇年代の比較教育学研究―比較教育学への手引き;「地域研究」と比較教育学;比較教育学教育の課題と方法;比較教育学の教育研究基盤―大学改革と「小講座」の創設・解体・再編;日本比較教育学会の四〇年)
2部 比較教育学研究の実践―アジア・高等教育・エスニシティ(アジアの変貌と日本人の国際性;アジア高等教育の比較考察;大学改革の日韓比較;歴史教育の日韓比較;留学生教育の課題と展望;在日外国人のエスニシティと教育)