内容説明
精神科学的教育学の系譜・方法・現代的意義。自然科学的世界と異なる精神的世界の独自性を擁護し、精神科学の新たな方法論を追求したディルタイの営為を継承し、神学や哲学への隷属から訣別して教育学の自律性をめざす「精神科学的教育学」は、20世紀初頭以来、ドイツ教育学の大きな流れを形づくった。わが国にも大きな影響をもたらしたこの教育学的展開を、源流に遡り詳細に論究した労作。
目次
第1部 二〇世紀初頭ドイツ教育学の系譜と課題(生の哲学と教育学;フリッシュアイゼン=ケーラーにおける教育的関係論の成立;教育学の自律性とノールの教育学的立場;精神科学的教育学の潮流とシュプランガー)
第2部 二〇世紀初頭ドイツ教育学の方法問題(モイマンにおける実験教育学の方法論的前提;教育学における「経験」と「思弁」の問題;教育学における歴史と体系の問題)
第3部 付論(ペスタロッチの歴史哲学思想と教育の課題;ボルノウにおける「出会い」の教育学的構造;自己実現と自己超越の問題―教育学的自叙伝の試み)
著者等紹介
林忠幸[ハヤシタダユキ]
神戸親和女子大学発達教育学部・同大学大学院文学研究科教授。福岡教育大学名誉教授。専門は教育哲学、道徳教育。1937年福岡県に生まれる。1960年福岡学芸大学教育学部卒業、1968年広島大学大学院教育学研究科博士課程教育哲学専攻単位取得満期退学。1978年ドイツ連邦共和国マールブルク大学留学。福岡県公立小学校教諭、福岡教育大学助手・講師・助教授・教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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