内容説明
大学の社会貢献、市場原理の導入の声はますます高く、いま世界の大学は従来の同僚制から法人制、企業制への歩みを加速しつつある。それは必然的に管理主体、財務運営、雇用形態の改変等の痛みを伴う。こうした切迫した状況下にもかかわらず、わが国ではこれまで大学管理運営に関する研究が乏しかったのはなぜか?―特定の国のみにとらわれず、多国間比較の成果を活用して今日の日本社会にふさわしい大学のあり方を究明・推進するため、改革の条件や基盤の異なる諸国の改革動向を体系的に分析・考察した、関係者必読の待望の研究。
目次
大学の管理運営改革の世界的動向(転換期の大学改革の背景;大学の未来像の予想;アメリカにおける大学の管理運営改革;大学の管理運営改革の方向;改革の課題と展望)
第1部 日本の動向(国立大学法人化の射程;国立大学の法人化と日本の大学制度;国立大学の法人化と国立学校特別会計)
第2部 欧米諸国の動向(アメリカの大学における管理運営モデルの変遷;エンロールメント・マネージメントとアクセスの平等性;イギリスの大学における管理運営改革;ドイツにおける国立財団型大学の設立)
第3部 アジア諸国の動向(中国の高等教育における行政改革の進展;中国の大学における管理運営改革;トルコの大学における管理運営改革とグローバル化;マレーシアにおける大学法人化と民営化)
著者等紹介
江原武一[エハラタケカズ]
1941年生まれ。東京大学教育学部卒業。同大学大学院博士課程単位取得。教育学博士。比較教育学・教育社会学を専攻。東京大学教育学部助手、奈良教育大学教育学部助教授を経て、京都大学大学院教育学研究科教授
杉本均[スギモトヒトシ]
1958年生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学大学院博士課程学修認定退学。英国レディング大学大学院教育・地域研究科Ph.D.比較教育学専攻。京都大学教育学部・同高等教育教授システム開発センター助手を経て、京都大学大学院教育学研究科助教授
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