内容説明
いま東アジア各国・諸地域は、グローバル化の進展の中、工業化、都市化に伴い共通の変動を激しく体験している。経済の世界化のインパクトは、青年人口の都市流入、家族形態の変化、中間層の拡大等を推進し、日本が現在直面する諸問題はいまや各国共通の課題となりつつある。日本を含む東北アジア・東南アジア全18の国・地域を視野に、諸社会の固有の歴史的・文化的構造と、それと連関する今日の変容を実証的に比較・検証した労作。
目次
東アジア地域社会の構造と変動―農村社会を中心として
第1部 家族(現代日本における家業の展開―京都在住者の事業承継に注目して;高度成長期日本における人の移動と家族の変容―篠山出身高学歴層の都市転出を事例として;近代化現象としての沖縄の門中―地域社会変容の視点から ほか)
第2部 地域(現代日本農村の女性集団―東北庄内地方における年序集団と仲間集団;日本村落社会と森林管理の展開―兵庫県村岡町D区所蔵「収支明細帳」をもとにして;韓国ソウル郊外地域の都市化―城南市の成立と展開 ほか)
第3部 エスニシティ(可変する村と人―雲南省「ミャオ族」村における生活実態から;ルアンパバーンの牛・水牛肉流通と黒タイ来住民―ラオス北部の社会経済変化の一側面;タイ国におけるムスリム・アイデンティティの行方―宗教・民族・国家のはざまで;フィリピン、イロコス地方における伝統的宴の現在―海外移住者の関わりを中心に)