内容説明
現代福祉国家の諸制度―賃金、税制、社会保障制度等に組み込まれた女性の自律を阻む不平等要因を、諸福祉国家の比較研究に基づき鋭利に摘出するとともに、その背景をなす男女役割分業思想が今なお強固な日本において、国際条約や諸国家の前進的成果を足掛かりに、独自の視角からジェンダー平等を推進する、新たな戦略構築の基盤を追求した、著者の遺著。
目次
戦後福祉国家におけるジェンダー関係
第1部 福祉国家のジェンダー分析の到達点と課題(福祉国家のジェンダー分析の展開;フェミニスト比較福祉国家研究の進展)
第2部 女性労働政策から見た新しいジェンダー関係構築に関する分析視角(女性労働政策の新しい分析視角;M字型就労サイクル脱却から見た比較福祉国家研究)
第3部 社会保障制度における新しいジェンダー関係構築に関する分析視角―高齢者ケアを中心に(社会保障制度におけるジェンダー関係の変革とILO;高齢者ケアワークの社会的評価の多様化と新しいジェンダー関係の構築)
結論 新しいジェンダー関係講築のために
補論(歴史の中の主婦労働―イギリスにおける母親手当要求のジェンダー分析;日本の女性労働の特徴)
著者等紹介
深沢和子[フカサワカズコ]
1945年10月28日生まれ。1977年慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。1981年~1996年阪南大学経済学部専任講師・助教授。1996年7月ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジから歴史学博士号取得。1996年~2001年阪南大学経済学部教授。2001年~2003年日本女子大学人間社会学部教授。2003年7月28日肺腺癌のため死去
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