内容説明
本書が企図した点は、第一にペスタロッチ研究において伝統を有するドイツ語圏と日本のペスタロッチ研究の系譜を辿るなかで、筆者の問題意識に基づく主題を構築し、それがこれまでの研究でどのように論究されてきたか、あるいは指摘されながらも何が充分に論究されていないかを明らかにし、その主題について自分なりの解答を見出すことにある。すなわち、ペスタロッチにおいては政治と教育の問題はどのような位相において把握することができるのか、またそれは彼の生涯に亘る時代状況や時代思潮のもとでいかに関連し、その核心となる理念として何が捉えられるかという問題である。
目次
序章 研究課題と研究方法
第1章 ペスタロッチとその時代
第2章 政治と教育の主題としての人間
第3章 ペスタロッチの政治思想
第4章 教育思想の根本としての自然と道徳
第5章 ペスタロッチの国民教育の理念
結章 人権としての教育思想
著者等紹介
乙訓稔[オトクニミノル]
1943年東京都生まれ。1962年東京都立武蔵高等学校卒業。1967年上智大学文学部教育学科卒業。1972年上智大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程修了。1995年スイス連邦共和国チューリッヒ大学留学(客員研究員)。現在、実践女子大学教授、教育哲学専攻。博士(教育学・上智大学論文)
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