内容説明
絶望が希望を孕み、激怒が無限の期待に転化する日本の「当為としての死」とは何か―真の行為とその責任の意味が限りなくうすまったかに見える現代日本の只中で、三島と15年の交友関係をもった著者が、言説を超え果敢な行為者としての死を願った三島の内面世界を見据え、江藤・石原らの三島理解を批判しつつ展開する、その哲学的死の謎への渾身の挑戦。
目次
1 三島由紀夫と江藤淳
2 石原慎太郎と三島由紀夫
3 江藤淳における「自然と故郷のイメージ」
4 『豊饒の海』
5 反民主主義の論理
6 三島由紀夫の死の哲学
著者等紹介
伊藤勝彦[イトウカツヒコ]
埼玉大学名誉教授、文学博士。1963年東京大学文学部哲学科卒業。北海道大学文学部助教授、埼玉大学教養学部教授、東京女子大学文理学部教授、東京大学文学部大学院人文科学研究科講師などを歴任
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