内容説明
本書は、大都市インナーシティのコミュニティ形成の事例を継続的にたどるなかから、80年代の終わりまでに明らかにされた課題を、できるだけリアリティのなかに実証的に解明しようとしている。修復型の「まちづくり」を住民主体で行ってきたことで知られている、神戸のインナーシティ長田区真野地区の住民運動・まちづくりを素材に、住民のコミュニティ形成のプロセスを、地域社会論と住民運動論が交差する地平のなかに解明することをめざしている。
目次
第1部 都市コミュニティ(なぜ都市コミュニティが大事か―阪神大震災で明らかになったもの;地域社会への眼差し;コミュニティ再生の課題―都市コミュニティ形成論の課題)
第2部 インナーシティ型コミュニティ形成の社会組織―神戸市長田区真野地区(大都市インナーシティ「まちづくり」の社会経済的背景;ゆるやかな連合の仕組みの確立;震災とコミュニティ構造の変容)
第3部 真野に暮す人たち(まちづくりに見る下町の地域文化;インナーシティの「まちづくり」と住民の対応;コミュニティ形成と住民の意識)
第4部 インナーシティのコミュニティ形成(自治能力―まちづくりにおける住民主体と行政主導;インナーシティ・コミュニティの形成過程;むすび―コミュニティ施策・コミュニティ論の再構築に向けて)
著者等紹介
今野裕昭[コンノヒロアキ]
1949年、横浜生まれ。1979年、ハワイ大学大学院人類学科修士課程修了。1980年、東北大学大学院教育学研究科博士後期課程中途退学。現在、宇都宮大学教育学部教授。博士(社会学)
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