内容説明
産業・文化の中心地であり、義務教育を最初に実施したボストンの、誇りある産業家たちの篤志主義と、ハーバード大・MITなど大学の、蓄積された知を市民に還元する社会的使命への自覚が結合し、市民の熱意あふれる運動の下、ボストン公共放送局は誕生した。その草創期から“アメリカの良心”と呼ばれるに至った現在までを追跡した、わが国初めての労作。
目次
第1章 18世紀マサチューセッツにおける産業社会の発展とエリートの形成
第2章 ローウェル家の形成と市民講座の開設
第3章 市民教育と大学―公共放送局を支えた6大学
第4章 大学拡張講座の開設とA.ローレンス・ローウェル
第5章 ローウェル協会とローウェル協会放送委員会の設立
第6章 WGBH‐TV局の放送開始と市民への奉仕
第7章 公共放送発展におけるフォード財団の貢献とその思想
第8章 ボストン公共放送局とフォード財団およびハーバードグループ
第9章 地域社会と公共放送―マサチューセッツとイリノイの場合
第10章 公共放送の社会的使命―民衆の、民衆による、民衆のための
著者等紹介
赤堀正宜[アカホリマサヨシ]
1931年静岡県生まれ。東京教育大学大学院教育学研究科博士課程修了、教育学修士。1959年NHKに入社、教育番組の制作に従事、その後、1983年放送教育開発センター(現メディア教育開発センター)。1990年国際武道大学を経て現在桐蔭横浜大学教授。専門は教授メディア論。所属学会は日本教育工学会、日本教育者会学会、日本教育学会、日本教育メディア学会理事。著書に『アジアで学んだこと、教えたこと』共著、明治図書(1987年)、『メディアと教育』編著、小林出版(1993年)、『現代教育概説』共著、学術図書出版(1995年)、『国際協力としての放送教育』共著、放送教育協会(1997年)
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