内容説明
人物で読む教科書に載らない西洋史。一駅一話で読める121人の喜劇・悲劇・仕事・家族・人生。
目次
ナポレオンは“イタリアン”
北の賢女、ローマでお転婆
パドヴァのアントニウス
アウグスト強王の日本磁器宮
メセナの始祖マエケナス
オコンナーの反骨と直情
虫めづるスリナムの姫君
老大国のラデツキー将軍
ドラキュラの名誉回復
ベーリングとピョートル
セビリアの碩学イシドール
フランス救う聖なる猛女
祖父メンデルスゾーンの戦略
ラヴォワジエの悲劇
ヴァチカンの囚人ピウス
スタンホープの印刷機
相続人マリア・テレジア
キケロのギリシア魂
リスボンの地震(上)欧州最悪の災害
リスボンの地震(下)麗しのポンバル様式〔ほか〕
著者等紹介
樺山紘一[カバヤマコウイチ]
1941年、東京生まれ。2001年以降、国立西洋美術館長、印刷博物館館長を経て、現在渋沢栄一記念財団理事長、学士会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
13
新聞連載されていたというヨーロッパの人物たちを中心としたコラム集。様々な時代の人物らを取り上げており、興味深い。個人的には、サンドイッチ伯爵の名前が、ハワイのワイキキ海岸で使われていたというのは驚いた。様々な人物が存在し、歴史に確かに名を残している。一人2ページ程度で読みやすく、改めて歴史の面白さを感じられた。2024/07/23
あきあかね
11
西洋史学の泰斗である著者の日経新聞のコラムをまとめており、古今の様々なヨーロッパ人の生き様を、それぞれ見開き2ページという限られた紙幅に、凝縮された文章で活写する。 「アイヌの歓待と、イギリス女性の応接は、しごく自然な人間感情の発露だった。」 例えば、開国間もない日本の陸奥や蝦夷を訪れ、『日本奥地紀行』を著したイザベラ・バード。隣人である和人のアイヌの人びとへの侮蔑に対する、遥かイギリスから来たバードの、同じ人間同士としてアイヌの人びととの交歓が対照的だ。⇒2025/06/01
田中峰和
5
教科書に載らない雑学集。例えば、蚊取り線香などに使われる除虫菊の野生種は、バルカン半島のクロアチアかセルビアの原産だという。明治以降、セルビアの除虫菊は日本の特産品に利用されることになった。生涯で16人の子を産んだマリア・テレジア。家康のように男の権力者であれば、何人もの側室に子どもを産ませることができるが、女性の場合、これだけの多産は珍しいし、よほど体力があったのだろう。彼女の子の一人が有名なマリー・アントワネット。121人のヨーロッパ人が織りなす喜劇や悲劇、仕事や人生観の数々が紹介される。2024/11/07
Go Extreme
1
ナポレオンの出自ーフランス人としてのアイデンティティの葛藤 19世紀イギリスの政治動揺ーファーガス・オコンナーとチャーティスト運動 オーストリアの政治とメッテルニヒー権力と影響力・三月革命 古代ローマとジュヌヴィエーヴーフン族からパリを守る・ フランス国家の祖形確立に寄与 ノルウェーの独立とイプセンーノルウェー独立とイプセンの帰国・イプセンとムンクの芸術的発展 ハンガリーの歴史ーイシュトヴァン1世による王国形成 バレンタインの伝説ー起源と意義・古代ローマの祭りとの関連 エッフェル塔の建設と影響ー技術革新2025/02/11
あらい/にったのひと
1
ようやく読み終わり…刀水書房の本と思って買うと悲惨な目に遭うというか、期待値の10%にも満たないような代物でした…新聞連載そのままだから仕方ないのかもしれないけど、刀水書房の本を期待して読むとがっくりするのでは。文庫クセジュと同じくらいのが出てくるかと思ったのに…体言止め、助詞止めが多い文体もどうなのか…他の出版社が出すなら素通りするだけで済んだはずなので、一般的にはそこまでひどくないかもしれません。2024/08/11