目次
第1章(イーゴリ・スヴャトスラヴィチ―「謎めいた遠征」を指揮した「無名の公」か?;歴史的事件の重要性に関する同時代人とその子孫たちによる評価の違いについて)
第2章(アレクサンドル・ネフスキー―英雄か、それとも対敵協力者か?;祖国を守るということ)
第3章(ユーリー・ダニーロヴィチ―ロシア国家の建設者か、それともトヴェリの聖ミハイル公の殺害者か?;「殺人」観の発展)
第4章(ドミトリー・ドンスコイ―「ルーシのツァーリ」か、それともハンの「臣下」か?;「ツァーリ」と「ツァーリの国」のイメージ)
結論
著者等紹介
宮野裕[ミヤノユタカ]
1972年東京都立川市に生まれる。1999年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程西洋史学専攻退学。2006年北海道大学より博士(文学)を取得。1999~2009年北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻(西洋史学)助手並びに助教を経て、2010年より岐阜聖徳学園大学教育学部に在職。現在、岐阜聖徳学園大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
12
アレクサンドル・ネフスキー、ドミトリー・ドンスコイら中世ロシアの4人の人物伝を通して、モンゴル支配下のルーシ諸公の心性を描く。馴染みの薄い時代・地域なのでとっつきづらいかと思ったが、政治史だけでなく当時の人々のモノの捉え方まで示した論証はなかなか興味深く、楽しく読ませてもらった(まぁモンゴルから「政治的な殺人」の風潮が入ったなんて記述はギョッとするが…)。本書で示されているハンの宗主権を乗り越えるまでの長い道のりを思うと、実力だけでなく内面からも、一度確立した権威を乗り越えるのはつくづく大変だなと。2020/07/06
しいかあ
1
ルーシの通史が頭に入っててなおかつ有名な英雄に対してステレオタイプなイメージを持ってる読者に向けて、そのステレオタイプを打ち破る考察をする本。日本での対象読者の数がすごい少なそう……。ロシア素人なので『ロシアの源流』片手になんとか読み通した。面白かった。2021/10/01
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- 和書
- 人間探求の心理劇