レコンキスタの実像―中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和

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レコンキスタの実像―中世後期カスティーリャ・グラナダ間における戦争と平和

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  • サイズ A5判/ページ数 436p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784887084285
  • NDC分類 236.04
  • Cコード C3022

出版社内容情報

従来の「レコンキスタ」史観とも、近年の「共存と寛容のスペイン」とも異なる、「境域社会」の相互交流や紛争解決の様相を浮き彫りにし、実体を究めた画期的研究!
中世スペインは、異教徒同士の血なまぐさい戦争の舞台であったのか? あるいは宗教的寛容が花開く理想郷であったのか? しかし実像は、これまでの「レコンキスタ」史観とも、あるいは近年強調される「共存と寛容のスペイン」イメージとも異なる。フロンティア(「境域」)社会の相互交流や、紛争解決の様相を明快に浮き彫りにしていく本書から、キリスト教やイスラームという宗教・文化的な違いを超えた人間どうしの生き様が浮かび上がってくる。

序論「レコンキスタ」の歴史と「境域」史―中世スペイン史研究の回顧と中世後期「境域」研究への視座―
第一章 「レコンキスタ」の歴史解釈
第一節 「レコンキスタ」を主軸とする中世スペイン史/第二節 「レコンキスタ」の解釈をめぐる研究上の問題
 第二章 「レコンキスタ」概念の実態と「境域」研究
  第一節 中世カスティーリャ王国における「レコンキスタ」概念/第二節 再・「レコンキスタ」の解釈をめぐる研究上の問題/第三節 「境域」への眼差し/第四節 本論の構成と使用史料
第一部 中世後期におけるカスティーリャ王国・グラナダ王国間関係(1246-1492一)―「戦争と平和」という観点から―
 第三章 戦争期間と和平期間
  第一節 問題の所在/第二節 戦争期間と和平期間の二元性
 第四章 対グラナダ戦争の特質
  第一節 「消耗戦」と「拠点奪取戦」/第二節 「境域」が担う戦争
 第五章 王国間休戦協定
  第一節 異教徒間における和平の構築/第二節 カスティーリャ=グラナダ間の王国間休戦協定の特質
 第六章 王国間休戦協定の締結状況と時代的変遷
  第一節 休戦協定の締結状況(1246-1481)/第二節 戦争の経緯と休戦協定交渉の実態
 第七章 王国間休戦協定と「境域」の接合点―「外交」使節―
  第一節 「外交」使節と「全権大使」/第二節 カスティーリャ王国の「外交」使節と「境域」
第二部 「境域」における「戦争と平和」―カスティーリャ=グラナダ「境域」社会の複合性―
第八章 地域史としての「境域」社会史の成立
  第一節 アンダルシーア・ムルシア地域史の新展開/第二節 中世後期「境域」の特質/第三節 「境域」社会の二元性
 第九章 戦争を軸とする「境域」の相貌
  第一節 「戦争遂行型社会」としてのカスティーリャ=グラナダ「境域」/第二節 越境暴力の恒常化/第三節 「境域」の防備体制/第四節 「境域」の入植状況/第五節 軍事貴族の台頭/第六節 「境域」における暴力と経済
 第十章 和平を希求する「境域」の相貌
  第一節 「平和維持型社会」論/第二節 「境域」における越境騒擾の解決―平和を維持する社会―/第三節 「境域」における「隣人関係」
第三部 細分化される「境域」―最前線に居住するひとびとの振る舞い―
 第十一章 和戦を個別に展開する「境域」
第一節 「中央」と「境域」の認識の乖離/第二節 静態的かつ動態的な「境域」社会
 第十二章 和戦を個別に担う「境域」の各地域―十五世紀後半を中心とする西方部域―
  第一節 グラナダ王国内乱事件をめぐる「外交」の錯綜―1450年―/第二節 地域的利害の共有―1450年代―/ 第三節 地域間休戦―1460年代―/ 第四節 粘り強い交渉―1471年の地域間休戦―
 第十三章 和戦を個別に担う「境域」の各地域―十五世紀後半を中心とする中央部域―
  第一節 ナスル朝宮廷と直接交渉する都市―アルカラ・ラ・レアル―/第二節 都市ハエン議事録の証言―1476年から1480年まで―第三節 大貴族の「外交」―フェルナンデス・デ・コルドバ家―
 第十四章 和戦を個別に担う「境域」の各地域―十五世紀後半を中心とする東方部域―
  第一節 ムルシア王国における和戦の地域化 /第二節 オリウエラにおける和戦の地域化
 第十五章 和戦を慣習化する「境域」
  第一節 和戦の混在と逆転/第二節 統制される暴力、限定的な和平―「報復権」―
 第十六章 生存を旨とする「境域」 
  第一節 「境域」の戦争と略奪行為をめぐる慣習 /第二節 捕囚者をめぐる慣習/第三節 境域「外交」をめぐる慣習/第四節 境界画定をめぐる交渉/第五節 交易を慣習化する「境域」/第六節 家畜放牧契約慣行の共有/第七節 「中心」の命令に対する不服従/第八節 明確かつ曖昧な境界線 ―越境する人々の慣習―
終章 「レコンキスタ」の完遂へ向けて―対異教徒認識の変遷と「中心」の決断―
  第一節 「中心」における対異教徒認識の変遷/第二節 大局的な政治情勢の変化とグラナダ王国の滅亡
結論
註・参考文献

黒田祐我[クロダユウガ]
著・文・その他

目次

序論 「レコンキスタ」の歴史と「境域」史―中世スペイン史研究の回顧と中世後期「境域」研究への視座(「レコンキスタ」の歴史解釈;「レコンキスタ」理念の実態と「境域」研究)
第1部 中世後期におけるカスティーリャ王国・グラナダ王国間関係(一二四六~一四九二)―「戦争と平和」という観点から(戦争期間と和平期間;対グラナダ戦争の特質;王国間九戦協定;王国間九戦協定の締結状況と時代的変遷;王国間九戦協定と「境域」の接合点―「外交」使節)
第2部 「境域」における「戦争と平和」―カスティーリャ=グラナダ「境域」社会の複合性(地域史としての「境域」社会史の成立;戦争を軸とする「境域」の相貌;和平を希求する「境域」の相貌)
第3部 細分化される「境域」―最前線に居住する人々の振舞(和戦を個別に展開する「境域」;和戦を個別に担う「境域西方部域」―一五世紀後半を中心として;和戦を個別に担う「境域中央部域」―一五世紀後半を中心として;和戦を個別に担う「境域東方部域」―一五世紀後半を中心として;和戦を慣習化する「境域」;生存を旨とする「境域」)
終章 「レコンキスタ」の完遂へ向けて―対異教徒認識の変遷と「中心」の決断
結論

著者等紹介

黒田祐我[クロダユウガ]
1980年、富山県小矢部市生まれ。博士(文学、早稲田大学)。専門は中世スペイン史・西地中海交流史。サラマンカ大学(2005~2006年)、セビーリャ大学(2007~2010年)への留学の後、早稲田大学文学学術院助手(2010~2012年)、日本学術振興会特別研究員(PD)(2012~2014年)を経て、2015年10月より、信州大学学術研究院人文科学系准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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人生ゴルディアス

4
「ファンタジーの書き手のよくある誤解に、辺境伯は辺境だから任命は左遷、というのがあるが敵国と接した場所に信用ならない奴置くわけないだろ」という指摘をたまに見かけるが、やっぱり信用ならなくない? 現地のルールに従って中央の休戦無視したり開戦の際は事前に連絡するよと敵側と取り決めたり、禁輸措置とられた軍事物資普通に輸出してたり。クロアチアの軍政国境も出世と利権がなければ前線に出ないようなイメージだったし。スペインはほぼ未履修だったけど、グラナダ、カスティリヤ、アラゴンのイメージが掴めた。良い本でした2020/06/28

鏡裕之

3
ほとんどの歴史は、国の中心から、そして国の中心にいる主要人物から記される。地方が、辺境(国境)が記されることはない。だが、歴史は中心だけではなく、辺境でも起きている。そこには中心とは違う、人と人とのぶつかりあいや妥協や交流がある。その辺境の人々の、政治的状況や社会的状況や経済的状況を浮き彫りにした力作。ファンタジーの多くは辺境で始まる。ファンタジーを書く人には必読と言ってもいい一冊だと思う。刀水書房さんは、物書きにとって勉強になる書籍が凄く多いね。2020/02/11

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