内容説明
第一次大戦時、フランス領西アフリカから駆り出された若者たち「セネガル歩兵」は17万人。人類がそれまでに経験したことのない近代兵器による大量殺戮の場にいきなり送り込まれ、四年余に及んだ戦いで命を失い、傷を負った者は数多い。かつて奴隷貿易が続いた四〇〇年間のどの四年余に捕らわれた奴隷の数より、この四年余に徴兵された人数の方がはるかに多いという。歴史の表に出ていなかったこの兵たちの実態を究めた。
目次
第1部 マンジャン、ジャーニュ、ヴォレノーヴェン―三つの個性(第一次大戦前、フランスの社会状況;シャルル・マンジャンと西アフリカ植民地兵起用論 ほか)
第2部 西アフリカ植民地とは何だったのか?(フランス植民地統治原理としての同化と協同;セネガル歩兵部隊とは何だったのか ほか)
第3部 西アフリカ特派共和国高等弁務官ブレーズ・ジャーニュ(西アフリカ特派共和国高等弁務官;ヴォレノーヴェンとジャーニュ ほか)
第4部 補遺(セネガル歩兵と「女性」;第一大戦後のセネガル歩兵)
著者等紹介
小川了[オガワリョウ]
1944年台湾生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科を経て、パリ大学第5(ソルボンヌ)民族学専攻修士課程修了。国立民族学博物館助手、同助教授、京都精華大学人文学部教授を経て、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授で定年退職。文学博士(総合研究大学院大学)。現在、東京外国語大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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