内容説明
カナダの脱植民地化のあり方を考察することは、歴史研究において二つの意義を持とう。一つは、アジア・アフリカ地域にもっぱら焦点を当てるのではなく、カナダ、オーストラリアなどの動きを視野に入れることで、アメリカ合衆国など他地域の展開も含めた「グローバルな脱植民地化」を考える契機を与えることである。いま一つは、ナショナルやエスニック集団の枠組みにとらわれがちであったカナダ史研究を「開く」ことに繋がることである。(以下略)(本文223頁「終章」から)
目次
序章 カナダのユニークな自立の歩み
第1章 内政自治への胎動―英領北アメリカ植民地と『ダラム報告』(一八三九年)
第2章 連邦結成過程再考
第3章 連邦結成とアメリカ合衆国―南北戦争の影響と教訓
第4章 南アフリカ戦争とカナダ
第5章 アラスカ境界紛争をめぐる英米加
第6章 カナダの海防とイギリス帝国
終章 カナダのゆるやかな「脱ドミニオン化」
著者等紹介
細川道久[ホソカワミチヒサ]
1959年岐阜県生まれ。東京大学文学部、同大学院人文科学研究科博士課程をへて、現在、鹿児島大学法文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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