出版社内容情報
中世盛期と後期に繁栄した商人2家を公証人文書などにより商業活動と都市生活の2面から個別具体的に検討,家の発展と地中海世界に広がる人の結びつきを描く
以下の雑誌に書評が載りました。激賞されています。
『史学雑誌』2002年6月
『歴史学研究』2002年7月
『西洋史学』2002年12月
内容説明
本書では、中世盛期、中世後期、それぞれの時代に発展をみた二つの「家」について、人的結合と「家」の発展を論じた。
目次
序論(ジェノヴァ人研究の意義と本書の目的;商業活動の担い手についての研究動向と課題;都市生活における「家」についての研究動向・史料批判・問題提起)
第1部 中世盛期(都市ジェノヴァの発展;史料と「家」に関する前提;商業活動;都市生活;第一部まとめ)
第2部 中世後期(前提と概要;商業活動―商業システムと担い手;商業活動―地域;都市生活)
著者等紹介
亀長洋子[カメナガヨウコ]
1965年新潟市に生まれる。四国にて育つ。東京大学文学部西洋史学専修課程、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。1944-1945年イタリア政府奨学金留学生としてジェノヴァに留学。日本学術振興会特別研究員(PD)、高千穂商科大学商学部専任講師を経て、現在、高千穂商科大学商学部助教授。博士(文学)。(勤務先の校名変更・改組により、2001年4月より高千穂大学教養部助教授となる予定)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ユーディット
6
本格的な論文をまとめたもの。ジェノヴァは歴史上極めて重要な都市にも関わらず、研究が少なく日本語で読めるものはほとんどない中、貴重な資料。人間同士の結びつき方、家族の定義などをテーマに、中世ジェノヴァの社会的制度などについて知ることができる。ただ極めて現代的な論文で、精査され、過去論の比較研究も流石だが、範囲が狭く、全くもって専門的で、一般的には全く面白くないと思う。2018/02/07
人生ゴルディアス
3
苦手意識と言うか興味の矛先が向かなかったジェノヴァ。本屋の棚でひときわでかく置かれてて本書がずっと目立っていたので、ついに購入して読んでみることに。ジェノヴァは土地が狭く交易に勤しんでいたので都市研究ではなく交易関連の研究が多いのだそうだ。そんな中、単なる血統とも言えない「アルベルゴ」なる呼称で表現される集団から「家意識」を探っていく本書。ものすごい労作だろうというのは資料類からわかるのだけれど、なんだか目指すべき先がわからないというかもやもやした感じだった。註に興味深い具体的な話が多くて見逃せなかった。2021/02/12
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