出版社内容情報
チュニジアの小村での人類学的調査にもとづき,マグリブのイスラームの複合的なあり方を,特に聖者信仰の位相に焦点をあてて,歴史人類学的にとらえる試み。時代と地域によって異なるイスラームの表情の豊かさ
目次
序章 問題の所在
第1章 セダダ村の聖者信仰の成立とその発展
第2章 独立以降の国家権力の浸透と聖者の子孫集団の勢力衰退
第3章 今日の宗教的実践の舞台と宗教生活の現状
第4章 聖者信仰の宗教的象徴体系
第5章 聖者をめぐる儀礼実践の現状
終章 聖者信仰の位相を変えていくもの
感想・レビュー
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うえ
4
人類学的な調査誌。「北アフリカのマグリブでは…聖者性がしばしば統治者の政治権力の正統性と結びついた…チュニジアでは、聖者信仰は、地方ばかりでなく、都会においても盛んにみられる…ゲルナーは、「ウラマー中心の宗教」対「聖者中心の宗教」の特徴を、それぞれ「文字性」対「視聴覚性」、「ピューリタニズム、厳格な一神教」対「人物崇拝、儀礼への耽溺、聖性の氾濫」、「平等性」対「位階性」、「仲介者の不在」対「仲介者の存在」として指摘しているが、セダダ村の聖者侵攻の象徴体系の特徴もまた、ゲルナーの一部の指摘を大きく裏付ける」2025/02/24
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