出版社内容情報
日本村落研究学会研究奨励賞受賞(1999年度);著者は素朴実証主義と称して遺言書を大量に,精緻に分析する。第一部は資本主義生成期の親族・相続慣行を探り,その構造の継承を「相伝」と表現する。それは単なる縦の継承ではなく,横の連絡をふくむ幅広い継承を意味し,第二部ではウイリンガム教区の社会変動,相続慣行の変化を考察。村落社会史の新たな展開である。
内容説明
そもそも、資本主義の生成と近代的核家族の形成との間にはいかなる関係があるだろうか。前者と後者とが相互に影響を与え合う関係はきわめて複雑である。この疑問を解明するために、筆者は事例研究として、16世紀から18世紀にかけて著しい人口流入を経験したウィリンガムという沼沢地縁りの教区における家族・親族構造および相続慣行を検討する。
目次
第1部 史料―全国的視野から(16、17世紀イングランドにおいて検認された遺言書数;近代初期遺言書残存数再論)
第2部 事例研究―ケンブリッジ州ウィリンガム教区(対象概観と史料の検討;ウィリンガム教区における世代継承と人口移動―1510‐1730年;ウィリンガム教区における親族関係密度と社会的経済的階層;ウィリンガム教区における学校設立と騒擾;16、17世紀ウィリンガム教区における相続と親族;村の相伝―慣行の相続;近代初期英国農村における名づけ慣行と人口移動)
結論
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- 和書
- 京都魔界地図