出版社内容情報
『ええじゃないか』など伊勢信仰を民衆の側からとらえるユニークな視点と,実証的な地方史の推進で著名な西垣教授の退官記念に集まる37人の実証的論文集
目次
第1部 宗教(伊勢神宮領寛御厨をめぐる二、三の問題;中世後期伊勢神宮における穢と不浄;ある下級幕臣の「伊勢参宮記」;大江親通の巡礼記二題;内膳司の竈神について;弥彦神社と居多神社;異界の季節表現;中世村落祭祀の神話的世界;中世後期から近世初期の高野山の師檀関係;寺院本末争論と裁定基準;近世の村の寺の役割について;斬首の民俗)
第2部 史料保存と史料学(日本史関係研究・史料情報の蓄積方法についての一考察;生活史研究における史料と方法;寺院史料の特性と史料誌の提唱;近世名主文書の保管引継形態について;徳川斉昭の欧米地理歴史知識;郷土史家論の試み)
第3部 群馬県を中心とした地方史(下毛野氏に関する基礎的考察;保元・平治期の政治動向;中世資料からみた古代氏族;頼朝権力の遺産;相論開始期の菅浦をめぐって;「関東幕注文」と上野武士団;中世末石見銀山の歴史地理学的研究;旗本坂本氏の上州領文書について;近世後期における小幡藩財政の構成について;若き日の吉村屋幸兵衛とその一族;士族民権家の動向;星野長太郎と前期直輸立法制定運動史;帝国大学入学の優先順位の導入;明治期歴史教育についての覚書;山村研究の成立過程における動向;後背農村空間における農業の地域的展開;ムラの内部における水利の組織と秩序;房総の潅漑水利をめぐって)