出版社内容情報
スターリン主義はいかに出現し,いかなる性格のものだったか? 冷静で大胆な大局観をもつ第一人者による現代ソ連研究の基礎文献。ソ連崩壊よりはるか前に書かれていた先覚者の業績
内容説明
現代を理解するためにロシア史の文脈でとらえたソ連現代史。スターリニズムとその後を、ロシア的専制とマルキシズム的位階官僚制とスターリン資質の複合とする問題の書。
目次
第1章 起源
第2章 強固なる体制
第3章 戦争
第4章 スターリンの晩年
第5章 スターリンの遺産とフルシチョーフ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
6
亡命ロシア人の研究者による、スターリンからブレジネフまでのソ連政治の概観。革命の混乱の中で瓢箪から駒的に政権を奪取してしまったボルシェビキ(まだソ連共産党ではなかった)は、当時のロシアでは少数派のインテリ活動家が率いる集団だった。その中にあり、高等教育を受けていないスターリンがインテリ層を粛清して、自分のようなたたき上げの活動家達を共産党の主要層にした事が、その後のソ連を野蛮な社会にした。スターリンとその後のフルシチョフの時代のソ連指導層に、著者言うところの「軍曹タイプ」が多いのはそのためだという。2021/12/07