内容説明
幕末から明治初期を駆け抜けた電気工学のパイオニア。類い稀なる才知と先見性を持ちながらも早逝した若き電気工学者の生涯。
目次
第1部 誕生から工部大学校卒業まで(文教の里、佐賀藩多久領;志田林三郎と多久;上京;電気工学者への道)
第2部 英国留学と帰国後の電気工学発展への貢献(異国グラスゴーでの留学生活;官学両面で大活躍の志田林三郎;電気学会の誕生;早逝した電気工学の巨人;志田林三郎と先見性)
著者等紹介
信太克規[シダカツノリ]
1970年東北大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了。通商産業省工業技術院電気試験所入所。1973~1974年フランス国立電気産業中央研究所研究員。1981年工学博士(東北大学)。1987~1988年電子技術総合研究所標準計測部電気標準研究室長。1990~2009年佐賀大学理工学部電気工学科教授。現在、佐賀大学名誉教授
志佐喜栄[シサキエ]
1996年佐賀大学教育学部卒業。2007年多久市郷土資料館(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダージリン
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学者として教育者として官僚として八面六臂の活躍振りに驚かされる。頭脳明晰なることはあのケルビン卿をして「私の最も優秀な弟子」と言わしめた一事で知れる。「将来可能となるであろう十余のエレクトロニクス技術予測」も先見性に満ちており、早世が惜しまれる。黎明期にこうした人物がいたことは日本にとって幸いであった。林三郎のように武士階級ではなくともその才を認め、育成に力を入れた佐賀藩の存在は大きいが、佐賀のみならず、幕末期の教育水準の高さが明治期の飛躍を用意していたことを改めて感じる。2014/01/29
O. M.
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志田林三郎は、明治初期の官僚で、日本発の工学博士、日本の電気学会を立ち上げ、36歳で夭折した大秀才です。本書はまじめな調査報告書の形態をとった彼の伝記で、正直読み物としては面白くない。しかし本書からは、林三郎含めた明治維新直後の官僚たちの勤勉ぶり、また若い官僚に大きな責任が与えられる当時の社会のダイナミックさがひしひしと感じられます。今の日本の電気事業・行政の保守性と比較するとうらやましい限りです。今後の電気事業を背負って立つ若い人に、言ってみれば、勇気と希望を与えられる一冊だと思います。2013/07/21




