内容説明
民間人を巻き添えにした凄惨な戦場となったサイパン。その実相と内実を日米資料から詳細に綴る大力作。女性・子どもを利用した「おとり」作戦、集団自決を美化したメディア…。語られなかった史実を含め、余すことなく記す。サイパン戦80周年の今年、歴史の教訓として、必読の一冊。
目次
1 懐かしき島
2 太平洋のDデー
3 タポチョ
4 戦いの終焉
5 民間人の地獄
6 悲劇のクリフ
7 戦闘後の光景
8 B29の島、悲劇は沖縄へ向かった
著者等紹介
吉永直登[ヨシナガナオト]
1963年生まれ。上智大学法学部を卒業後、NHK記者を経て1991年に共同通信社に入社。神戸、横浜など地方支局と本社(官公庁担当)で記者を務めた。映像音声部署のデスクも担当。40代後半からライフワークで「移民」「戦前・戦中の南洋」の取材を続けており、2019年に『テニアン 太平洋から日本を見つめ続ける島』(あけび書房)を出版。移民の歴史について学ぶ団体「移民と旅する社」を主催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みさと
5
サイパン島陥落は日米戦争の帰趨を決した転換点。サイパン戦で起きたことは後の沖縄戦ですべて起きた。日本軍将兵は酒と女に浸り地元住民は反感を強める。日本軍は住民を、壕から追い出す、スパイとして処刑する、敵への囮として利用する、泣く子を殺させる、投降を赦さず集団自決をもたらす。住民は前に米軍後ろに日本軍と追い詰められ、断崖から身を投げる。米軍にとっての日本兵は、民間人のふりをするなどの卑怯な存在。米軍も、無差別爆撃・砲撃、ナパーム弾や火炎放射器などの非人道的攻撃をなす組織。読み続けることにしばしば詰まる内容。2025/01/10
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