目次
第1章 獣医大学の実習
第2章 国が把握しない実験施設
第3章 手術後の動物を看護
第4章 痛みは軽減されているのか
第5章 犬の一年農薬毒性試験が廃止
第6章 進化する代替法―化学物質、医薬品
第7章 倫理面で問題「ヒト動物キメラ研究」
第8章 抗う業界と議員
補章 ニホンザル二〇〇匹の行先は?
著者等紹介
森映子[モリエイコ]
1966年京都市生まれ。上智大学卒業。91年時事通信社入社。英文部、社会部、名古屋支社などを経て、98年から文化特信部の記者として、ジェンダー、エシカル消費、環境問題、動物福祉などの取材を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
76
著者は時事通信記者で、動物実験の闇を追求し続けておられる。「動物実験とは故意に動物を傷つける非倫理的な行為」とする著者が、全国の獣医大学に質問状を送り、施設の見学を許さない大学や回答の不十分な大学を吊るし、公開処刑するかのような一冊である。著者の主張も理解できるが、3R(代替、削減、苦痛の軽減)の理念に基づいて侵襲的な動物実習が見直されつつある中で、教条的で敵対的な姿勢は事態の改善に好ましいとは思えない。屠殺や工業畜産などのより深刻な課題も含め、動物と人間の関係については、冷静かつ寛容な議論を期待したい。2020/11/20