内容説明
戦後新・旧左翼にかつては所属し、あるいは現在も所属している10人。彼らはそれぞれの道を歩んできた。自らを振り返りつつ衰亡の時代を共に考えた。
目次
第1部(あるネットワークの成立とその後;松平直彦―本気で銃を持ち「首相官邸占拠」を計画したこともあった;伊東恒夫―ルビコン河を渡る決意はあった。踏み切るときは今かな?;朝日健太郎―周囲の変化に機敏に対応し、自分自身の変質を恐れない;佐々木希一―「親父、一年間だけメシを食わせてくれないか」って頼むと、親父は―;江藤正修―高校受験の年、共産党のおやじから『鋼鉄…』をプレゼントされて)
第2部(三浦暉―決めてもそれを他者に強制せず、命令もなく、だから規則もなかった;水谷保孝―はじめて会った左翼の中に生きた批判精神を見た;水谷けい子―少女時代の原風景はいつまでも消えない;木元康博―力や思想を振りかざさずとも、たった一人で立ち向かうことだってできる)
著者等紹介
川上徹[カワカミトオル]
1940年東京生まれ。60年に日本共産党に入党。64年から66年まで全学連(民青系)委員長。その後、72年まで日本民主青年同盟(民青)中央常任委員。90年に日本共産党を離党(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瓜月(武部伸一)
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戦後左翼諸党派の運動は、社共からいわゆる新左翼まで、夫々の潮流が一つのサイクルを終えたと言って良いと思う。社会主義の再生に向け、努力を続ける人がいるのを知っているが、やはり今はまだ、20世紀の日本社会でなぜ「左翼」全体が敗北したのかを語る、考えることも大事なのだと思う。そのための良い一冊。特に、中核派の政治局員であった水谷氏が語っている事は意義深いと感じる。インタビューの末尾で、水谷氏は第四インター系など革マル以外の党派との関係も「真剣に総括します」と語っている。続編に期待する。2014/09/21