内容説明
江戸中期の検討で明治維新による統一国家建設・市民社会形成を内的に準備した時代の実像が浮かび上がる。“いま”が過去の結果であるならば、歴史の中から未来への希望も発見できるはずだ。最新の歴史研究を紹介しながら、現行歴史教科書で知ったはずの“常識”を一つ一つくつがえす痛快な労作。
目次
都市の発展と豊かな社会の成立が諸産業の発展を促した
都市の発展が平和で豊かな近世社会を築いた
商工業の発展は不断に封建制度・連邦制国家制度と衝突していた
「雅」と「俗」の文化の交流で成り立つ江戸文化
貨幣がなくては暮らせない社会の成立が、「実践」を重んじる諸学の発展を促した
補論 近世日本社会と宗教
勤勉と倹約の精神が説かれた背景には経済の大変動が存在した―コラム:石田梅岩と二宮尊徳のうそ
生類憐みの令は清浄なる国土創出の方策だった―4代から7代将軍の治世での幕政改革
市場経済に対応した幕藩制への展開―享保の改革の歴史的性格
御益・国益の田沼時代―商工業の発展は複合的な利害対立を生み出した
著者等紹介
川瀬健一[カワセケンイチ]
1950年神奈川県小田原市に生まれる。1973年国学院大学文学部史学科(東洋史専攻)卒業。1974年~2003年まで、神奈川県川崎市で公立中学校社会科教諭をつとめ、2003年春退職。その間、市教組中央委員・教研対策委員、職場では図書館指導・文化祭企画委員・環境教育推進委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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