内容説明
連作「我百首」の謎を解く。鴎外が生涯にわたって秘匿しようとした「舞姫事件」。隠しきれないエリーゼへの思慕、それを抑制せずにはおかない自制心、相克の中から歌は生まれたのではなかったか。
目次
第1章 『舞姫』における「虚構」と「事実」(小金井喜美子はエリーゼを『舞姫』のエリスと同一視させている;『舞姫』は事実を描いたものではないと鴎外自身が明言している;『舞姫』の種本となったと思われる鴎外の翻訳作品 ほか)
第2章 森鴎外の「我百首」解釈と「舞姫事件」(「舞姫事件」の経過;「我百首」前段;「我百首」中段(前半)
「我百首」中段(後半)
「我百首」後段)
第3章 「我百首」創作の背景と各首評釈(「我百首」の中心主題は何か;鴎外はなぜ明治四二年春に「我百首」を創作し発表したのか;鴎外はニーチェの思想によって死の想念を克服しようとしていた ほか)
著者等紹介
小平克[コダイラマサル]
昭和11(1936)年茨城県に生まれる。本籍は長野県。東京教育大学文学部(倫理学専攻)卒業。元香川県立高校教諭、元東京都立高校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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