出版社内容情報
第一章 『火山島』への道程
(一)五〇年代「■の死」ほか/(二)六〇年代の未完の長編小説『火山島』/
第二章 『火山島』の構成と主題
(一)登場人物/(二)ストーリー展開
第三章 『火山島』における現代史把握
(一)『火山島』と現代史把握/(二)『火山島』と親日派/(三)朴甲三(黄東成)の造型問題
第四章 『火山島』と四・三事件―史実とフィクション
(一)第一期/(二)第二期/(三)第三期/(四)四・三事件をめぐる史実とフィクション/(五)李芳根の南労党批判
第五章 李芳根の家族制度批判、女性観、恋愛・結婚観
(一)李芳根の親子関係・家族観/(二)妹の保護者としての李芳根/(三)『火山島』における女性像、恋愛・結婚観
内容説明
「火山島」は1948年から49年にかけての南朝鮮を舞台に、済州島四・三事件と親日派処断問題を二大支柱として構成され、金石範のライフワークとして結実した一大長編小説である。本書は、これを主として政治・社会的視点から論ずる意欲的試みである。
目次
第1章 『火山島』への道程―「鴉の死」から朝鮮語版『火山島』へ(50年代「鴉の死」ほか;60年代の未完の長編小説『火山島』)
第2章 『火山島』の構成と主題―主人公の転換問題を中心に(登場人物;ストーリー展開)
第3章 『火山島』における現代史把握(『火山島』と現代史把握―解放三年史をめぐって;『火山島』と親日派 ほか)
第4章 『火山島』と四・三事件―史実とフィクション(第1期(48年2月から5月まで、『火山島』第1~3巻)
第二期(48年5月から同年10月まで、『火山島』第4~6巻) ほか)
第5章 李芳根の家族制度批判、ならびに女性観、恋愛・結婚観(李芳根の親子関係・家族観;妹の保護者としての李芳根 ほか)
著者等紹介
中村福治[ナカムラフクジ]
1946年7月大阪府岸和田市で生まれる。69年3月小樽商科大学卒業、74年3月東北大学大学院博士課程単位取得退学、77年4月立命館大学経営学部助教授、87年同教授。94年同大学国際関係学部教授、現在に至る
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