出版社内容情報
自由の前に立ちはだかる10の扉。
南アフリカ共和国の国家権力の象徴・プレトリア刑務所。反逆罪で囚われた白人の主人公・ジェンキンは、途方もない脱獄計画を打ち立てる。実話をもとに描かれた痛快サスペンス巨編!
プロローグ 突破
第1章 決断
第2章 脱出
第3章 解放
アレックスは注意深く塀の上にある監視通路の方を見て、看守がいるかどうかを調べた。誰もいない、看守は都合よく、われわれとは逆の方向へ向かっている。アレックスが大胆に外へ足を踏み出し、ついてこいと合図する。私が次に出て、ステファンがそのあとに続いた。彼は出てからその扉を押し戻した。あだ、かんぬきが突き出たままだったので、きちんとは閉まらなかったが、もはやそんなことはどうでもよかった。ついに抜け出したのだ! われわれは出てきたばかりの扉から、あたたかい夏の日が射し込む通りへと歩を進めていった。
われわれは自由の身だ。倦怠と不満、孤独に支配された長い時間と歳月は、今やわれわれの背後へと追いやられた。目の前には、限りない自由の世界が広がっている。……
(「突破」より)
内容説明
南アフリカ共和国の国家権力の象徴・プレトリア刑務所―。反逆罪で囚われた白人の主人公・ジェンキンは、途方もない脱獄計画を打ち立てる。実話をもとに描かれた痛快サスペンス巨編。