内容説明
エディ・ヴィラーゴは24歳。パンク・ムーヴメントも終焉にさしかかる頃、ひとり、シド・ヴィシャスのようになりたいという夢にしがみついていた。押さえがたい欲求につきうごかされ、故郷ダブリンを捨てて単身ロンドンにのりこむエディ。友人たちは次々と堅実な大人に―若い頃あれほど軽蔑していたつまらない人間に―なっていく。奇妙な優越感と、心の奥底に潜む焦燥。俺だって、成功への道を歩みはじめているんだぜ。家族を、友人を、そして自らをも騙しつづけたエディを待ちうけていたものは…。現代に、またアイリッシュに生まれたがために受ける抑圧のもと、あらゆる現実から逃げつづけた青年の姿をあるがままに描いた異色の青春小説。