内容説明
軍国主義者・独裁者として悪罵の限りを一身に浴びて来た東條英機。果たして彼は斯様な人物であったのか。その実像に真正面から挑む。
目次
なぜ東條英機なのか
父と子
昭和改元
飛躍―満洲の大地から
陽の当たる場所へ
明けて昭和一六年
破局に向かって
図らずも総理大臣の印綬を帯びる
関頭に立つ
一二月八日
はたして独裁者か
以って瞑すべし
下獄―巣鴨へ
東京裁判―そして最期
罪なき者まず石もて投げうて
著者等紹介
鈴木晟[スズキアキラ]
宮城県石巻市出身。外交史家。石巻高等学校、早稲田大学法学部を経て同大学院修士課程修了。以来、外交史・日米関係史の研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オペラ座のカニ人
0
図書館本で読了。東條英機のことを知りたくて読んでみた。日本が太平洋戦争に突き進んだ頃の話が主であまり人物的なものは読み込めなかった。昭和初期から太平洋戦争に至るまで渋沢栄一の本を合わせながら読み,もう少し理解を深めたいと思った。2022/01/23
HALCA
0
「東条英機は悪人なのか」というシンプルな命題から大東亜戦争の発端からポツダム宣言の受諾、終戦後の東京裁判へと論を展開している。終盤において著者は素朴な疑問として「自分が生まれ育ち、自然や文化や伝統という汲めども尽きぬ恵みを与えてくれた母なる国の『悪行』を虚実とりまぜ言い募る情熱とは、いったい何に由来するのであろうか。…」という皮肉をぶつけている。無論、この本は歴史修正主義や軍国主義を礼賛するものではない。巻末に引用された「汝らのうち罪なき者まず石もて投げ打て」という一文に筆者の主張が集約されていると思う。2018/10/03