内容説明
日本浪曼派の精神がここに蘇る。大和朝廷発祥の地で生まれ育った保田與重郎が、武勇と詩歌に優れた国のはじめの偉大な先人たちを活き活きと描き出す上古日本の歴史物語。
目次
神武天皇(神武天皇の建国;日向の国から吉備の国へ;河内国の楯津の戦い ほか)
日本武尊
聖徳太子(仏教の伝来;敏達天皇;用明天皇 ほか)
万葉集物語(大伴家持;万葉集の尊さ;万葉仮名 ほか)
著者等紹介
保田與重郎[ヤスダヨジュウロウ]
明治43年(1910)4月、奈良県桜井町(現桜井市)に生まれる。文学・美術評論家。東京大学美術科卒業。大学在学中に同人誌「コギト」をはじめ、昭和10年(1935)に中谷孝雄らと「日本浪曼派」を創刊。昭和24年(1949)には雑誌「祖国」を興し、戦前・戦中の思想文芸観をいっそう深める。昭和56年10月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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非日常口
18
速さに取り憑かれた現在、人間形成のために知識を得る行為はいかに稼げるかに還元された。本書は保田與重郎が子ども向けに神武天皇、日本武尊、聖徳太子、万葉集について書かれているが、言霊の風雅を置いて来た現代人が万葉うつろう歌・物語と共に古来の土地を遊動するには恰好の入り口となるはずだ。2015/03/31
ダイキ
8
(1/3)大学図書館。『神武天皇』、『日本武尊』、『聖徳太子』、『萬葉集物語』の四篇が納められてゐる。これらはいづれも、保田與重郎が晩年に、月刊ポピーといふ子供向けの家庭学習教材の付録として書かれたものであつて、そこには、いまだかつて保田與重郎の著作に見られなかつたほどの、慈愛にあふれてゐる。特に『神武天皇』は、保田與重郎の絶筆となつた作品である。彼自身は恐らく、この一篇を絶筆にするつもりはなかつたであらう。念願であつた『日本の文學史』を書き上げた彼であつたが、彼は悠久の詩人であり、永遠の文学者であつたか2015/05/17
yoshi
1
子供に是非読ませたい歴史物語。古の日本と日本人をいとおしく感じる一冊ですね。保田與重郎の著作ですが子供向けに書かれたということで読みやすいく,子供向けではありますが,大人にも味わい深い一冊です。2014/06/01