内容説明
7度の自宅建築とイギリス生活を経験した著者が喝破する、これからの賢い家、賢い生き方。
目次
序 南を向いた家が良い家という誤解―日本の住宅を根本から疑おう
第1章 家は天下の回り物―家づくりはコンセプトで決まる
第2章 和室はいらない―あらゆる既成概念を捨て去ろう
第3章 家は住宅展示場ではない―建築家に設計を丸投げしてはいけない
第4章 一五〇坪の土順があれば―どこにどのように住むか
第5章 もっと自然回帰せよ―これからの住宅はかくありたい
終章 家の中心は食である―人生の器としての家を考える
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
作家・書誌学者。1949年東京都生生まれ。東京都立戸山高等学校、慶應義塾大学文学部卒業、同大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授を経て、作家活動に専念。専門は日本書誌学、国文学。『イギリスはおいしい』(文藝春秋)で日本エッセイスト・クラブ賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で講談社エッセイ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(ケンブリッジ大学出版)で国際交流奨励賞を受賞。能楽、料理、自動車、小説、古典、日本語、住まい、生き方、イギリスなど多岐にわたるジャンルでの著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KO
3
「南向きに拘る必要はない」というのは確かにそうかも。どんな家に住みたいかは、どんな人生を送りたいか、ということなんだろうな。2021/03/07
19May
3
著者の独自の価値観を全面に打ち出した「家作り」の話。とはいえ、著者の価値観を押し付けているわけでは全くない。家というものは、建てる人一人一人が自問自答を重ね、自分の価値観に合ったものを建てるべし。という至極全うな意見を展開している。著者は、世の中の主流ではない自分の価値観を強調することで、読者の常識を揺さぶり、自分の頭で考えるよう促している。家を建てようと考えている人は、目を通しても決して損はしない。 著者といい宮脇檀氏といい、「家作り」の発信者は、家事全般をこなすという共通点があるのは興味深い。2011/11/01
れどれ
2
住居としての家屋について多角的に論じている。著者当人の偏った主張が散らばってるがそここそが見どころ。イギリスの住宅事情と対比することで際立つ現代日本の家屋の難点など面白い。2023/02/14
やまめパンジー
2
題名の理由が終盤になって分かってくる。住宅について、独特の解釈を展開するリンボウ先生。斜に構えた表現も先生らしく、そして理論的に「こういう設計がベスト!」と決めているところがおもしろい。このくらい真剣に住宅を考えると設計で迷うことはないだろうな。2018/05/25
ganesha
2
「私は「私の住みたい家」をつくるのであって「建築家の展示したい家」に住みたいのではない」というリンボウ先生の自宅建築やイギリス滞在の経験から、どんな住宅が良い住宅かが提示されている。日本の台所に関する記述が印象的だった。2018/04/29