内容説明
伝統的には宮中祭祀とか皇室祭祀といわれる天皇の祭りは、われわれ日本人が一般的に行っている祭りと基本的には変わらない。しかしこの国では、天皇の祭りと政教分離が結びつくと問題が生じる。まさしく政教分離とは、the separation of Church and Stateであり、政府と宗教団体との分離をさす。天皇の祭り主としての本質を踏まえ、天皇の祭りを私的行為とする誤りを、最高裁の判例や慣例をつぶさに上げて徹底的にただす。
目次
第1章 大嘗祭をめぐる日本学(大嘗祭と“政教分離”;大嘗祭の日本学)
第2章 ご大喪から御代始の儀式へ(ご大喪・ご大典の諸問題;「皇位継承」は国家行事として;皇位継承儀礼「社会党の申し入れ」批判;政府・宮内庁を叱る;元号制廃止論者の下心;“政教分離”という魔語からの解放;象微天皇の役割について)
第3章 天皇の祭りと神道指令(文化摩擦としての“神道指令”;軍国主義と近代戦争;政教分離に関する憲法学者批判)